引越しの料金は「値段」があって無いようなものです。
場合によっては料金が「半額」なんてことも当然のように提示される凄い世界です。しかしその値引きの構造自体に問題があるため「得する人」と「損する人」の両方が同時に存在する厄介な世界と言えるのです。
同じ料金で売らない
普通に考えると物を買う時には「定価」が存在するために大多数の人は同じ料金で購入することになります。しかし引越しについては料金の設定方法が特殊なため注意する必要があります。
引越しの料金では同じ日程でまったく同じトラックを使った場合でも料金が一緒になることはありません。いわゆる「時価」商品と言っても過言ではありません。
引越しの料金(値引き)の決め方はトラックの空き状況や戦略によってガラリと変わります。見積りをしている段階でトラックが凄く空いている日は通常以上に安くしてでもトラックを稼働させたいのが引越し業者の戦略です。
逆に混んでいる日は割り引く必要がなく安くしてトラックの予約を入れる事はしません。その為に日程によって「安い日」「高い日」が存在することになるのです。
当然の事ですが1日違えば同じトラックでも何割も料金差がでます。例えば3月1日の料金が10万円でも翌日の3月2日には5万円ということも有りうるのです。ウソの様なホントの話し1日違えば半額になる事もあるのが引越しの値段設定ということです。
基本的には値引きしたくない引越し業者
1日違えば料金が倍近く変わることもあると言いましたが、実際のところを考えると引越し業者は少しでも料金の割引を抑えたいのです。何でもかんでも割引割引と料金を下げていたら利益がなくなってしまいます。
その為にはお金が取れる客からは最大限に頂くという考えがあります。つまり引越し業界では万人に平等という考えはありませんので「得する人」と「損する人」の2種類に分類されるのです。
どうすれば得することが出来るのか?
これはいたって簡単なことです、引越し業者と戦うほかありません。
「引越し業者と戦う?」とはどのような事か?あの手この手で引越し会社の営業マンと交渉する事です。引越しとは基本的に交渉抜きでは安くなりません。
1社しか引越し業者の見積りをしない場合はあなたと引越し業者との1対1の戦いになります。値引き交渉をしたところで百戦錬磨の営業マン相手に凄い割引を引き出すことは一般の方では不可能といえるのです。
なんとなく見積りをして30%から50%の割引を受けて契約をしてしまう事でしょう。しかしその50%引きは本当に安いのかが疑問です。引越し業者が良くやる方法として元の定価と思われる金額を上乗せしてから50%引きにすれば凄く割引したように思えます。
しかしこれは引越し業者の戦略であるので騙されてはいけません。例えば引越し業者が5万円で契約成立したいと考えた場合に10万円で初期提示を出せば5万円は半額の50%引きという事になります。
本当は初期提示6万円のモノかもしれません。もし本当の定価が6万円であり最終的に5万円になったのであれば約17%引きとなります。このような裏事情は引越し業者しか分からないことです。
つまり「割引き」などは何の参考にもならない業界であるのです。その為に1社だけ見積りすることは危険といえます。
特に複数の引越し業者から見積りを予定していたが1社目で決めた方の大半がこの「割引率」のマジックにやられたと言えます。そういう方は口々に言います「とても安くしてくれたので決めました」と。本当に安いか分からないはずなのに引越し業者の戦略にのせられたのです。
必ず複数の引越し業者の見積りをとること
とにかくお得になりたいのであれば複数の引越し業者の見積りを聞くことは必須といえます。ただしどの引越し業者もその場で「今決めて貰えばこの料金です!」と毎度毎度同じセリフを言いますので惑わされないようにしましょう。
複数の引越し業者が競合すればあなたが交渉下手でも業者が勝手に競い合ってくれます。引越しの見積りはあなたが想像する以上の激戦です。他社に負けて帰れない営業マン事情があるので本当に必死に割引をすることでしょう。
大手引越し業者以外にも中堅の引越し業者も見積りに入れると効果的
どうしても大手が安心と思ってしまうために中小の引越し業者を敬遠する傾向がありますが、中小の引越し業者の方が作業レベルや気遣いが上の場合も往々にしてあります。
大手はそう簡単には潰れませんが中小の引越し業者は評判が落ちては命取りという側面がある為に質が高い会社もたくさんあるのです。食わず嫌いをせず一度見積りをしてみることをお薦めします。
中小の引越し会社は料金的にみて安くする傾向が強いため、大手に対して料金交渉もしやすくなるので是非見積りには幅を持たせるようにしましょう。
一括見積もりが有効的
「引越し見積もり比較サイト」を使い一括見積もりをすることが値引き交渉にとってとても有効な手段になります。
ただしあまり多くの引越し業者の見積りをとり過ぎるとあとで断ることが大変です。業者の数はほどほどにするように注意しましょう。