引越しの料金について、支払いのタイミングは各社様々になります。
引越し日当日の作業開始前の領収もあれば、荷物をトラックに積み込みが完了した段階の会社もあります。
引越し完了後に領収を行う引越し会社もありますので、見積もり時にしっかりと確認を取る事が必要です。
この領収のタイミングは作業開始時でも作業完了後でも間違いではありません。実際に国土交通省告示の「標準引越運送約款」の内容には以下の内容に記されています。
第八章第十九条
「当店は、荷物を受け取るときに見積書に記載された支払方法により、荷送人から運賃等を収受します。」とあります。
簡単に言えば作業開始時と言う事です。
いろいろ調べると作業完了後に支払が定められているとの記載も見かけますが、これは正しくもあり間違いでもあります。
その意味合いとは「標準引越運送約款」の「運賃等の収受」の最後の項に記載があるのです。下記の内容になります。
第八章第十九条5
「当店は、第一項の規定にかかわらず、荷物を引き渡した後に荷受人等から運賃等を収受することを認めることがあります。」とあります。
まあこれも簡単に言えば作業開始時に領収ですが、作業完了後でも認める事はありますよ、ということです。
この裁量は各引越し会社によるところですので「なんで先に払う必要が有るのか」とクレームを入れないようにしなくてはなりません。
あくまでも「標準引越運送約款」に従い領収するだけなのです。
実際にあった領収のタイミングについてのトラブル
私も引越し作業開始時にクレームが入った事が何度があります。
前もって事前説明はしてあるのですが、周りの方からの助言が入り「作業開始時の領収なんておかしい」と提言があったようです。
その結果お客様は頭ごなしに作業前に領収なんておかしい、そんな引越し屋はおかしいと言われた事がありました。
その後、丁重に説明をしてご納得しては頂きましたが、時折誤解が発生するときがありますのでみなさんも覚えておくと良いと思います。
分かって頂いたと思いますが、引越し代金の支払は「先」でも「後」でも国土交通省に対して違反してはいないのです。
後払いでもトラブルは同じ
仮に後払いの方が安心できると考えているのであれば、それは間違いです。
ただイメージが後払いの方が良さそうに感じるだけのことです。
実際に引越し作業後に料金の支払いを拒否することはできません。多少の不備が引越し業者にあったとしても、作業に対しては料金を払う必要があります。
もしも料金の支払いを拒む場合には、依頼側が当然ですが訴えられることになります。
例えになりますが、飲食店で食事を終えてから「美味しくなかった」「店員の感じが悪い」などの理由で支払いを拒否することは、当然ですができません。
引越し作業も同じです。仮に作業に不備があったとしても、そのことは別問題で話し合うことや補償の問題になります。
支払いを拒否する場合のほうがトラブルは大きくなる
たとえ引越し業者に不備があったとしても、引越しを行っていない場合や契約書とまったく違う内容でない限り、支払いを拒否することは逆に立場が悪くなります。
破損などの引越しで起こる通常のトラブルに関しては、引越し代金とは別の次元で行わなくてはなりません。
「何かあったら引越し代金を払わんぞ!」と言うのは絶対に止めましょう。
引越し業者は破損や事故のトラブルが非常に多く、専門の顧問弁護士がついていることが殆どです。
正当性のない「引越し代金を払わない」という行為は、トラブルが更に拡大するだけになるので、絶対にやめましょう。
引越し業者はクレーム対応に長けているので注意
わたしの在籍していた引越し会社は、客に対して弁護士を立てることが非常に多くありました。
正当性があるなら良いですが、そうでなければ引越し代金をは払ってから、話し合いをするようにしましょう。
いきなり「金払わんぞ!」は不利になりすぎ、引越し業者から提訴されるのがオチです。
相手はトラブルのプロです。根拠のない料金未払いをすることだけは絶対に止めましょう。
まとめ
結論、交渉しても先払いを後払いに変更する事はできません。
自分やまわりの経験から判断して、引越し業者に苦情を入れることは避けましょう。
先払いがどうしても嫌な場合は、後払いの引越し業者と契約をするしかありません。
先払いの業者を無理やり後払いにさせることは不可能です。時間のムダになるのでさっさと他の業者をあたりましょう。
先にお金を払って大丈夫?と疑問だったのなら少しは解決したのではないでしょうか?
確かに先払いと後払いでは、何となく後払いのほうが良いイメージかもしれません。そのことについて否定はしませんが、あまり気にしてもと思ってしまいます。