どこの引越し業者でも見積もり時間は平均して1時間ほどになります。
それよりも短い時間では満足な見積りは出来ないのです。
見積り時間30分で大丈夫?
引越し業者に問い合わせをすると30分ぐらいと言われる場合が有りますが、ほとんどが無理だと思います。
30分でいったい何が出来ると言うのでしょうか?訪問見積もりはお客様のご自宅に伺ってから色々な確認をしなくてはなりません。
その確認と説明だけで30分と言う時間はあっという間に過ぎてしまいます。見積もり時間が30分では難しい現実をイメージして頂きたく為に順を追って考えていきます。
1.訪問、挨拶
この段階ですでに時間は経過しています。
当然ですが0分では有りません、数分は経過することがあります。
2.お客様の内容確認、もしくは荷物の確認
あいさつを済ませてからそのまま荷物の確認に入る場合と一旦お客様の内容確認に入る場合があります。
この手順は引越し会社によるというよりも営業マンの違いによる事がほとんどです。会社によっては手順のマニュアルが有ると思いますが必ず手順が同じ訳ではありません。
3.荷物確認
荷物確認とは各部屋を回って荷物量をチェックします。その中で持っていく物、置いていく物、処分する物と確認もしていきます。
重要な荷物、大切なもの、高価なもの、壊れやすいものなども同時に確認しながら全体を隅々まで回ります。
エアコンやウォシュレット、照明器具、オーディオ機器、パソコン、食洗機などは電気工事の手配が必要か確認します。
4.内容確認
内容確認とはお客様の引越し日、引越し理由、引越し先、運ぶ荷物の選別、荷造りなど希望オプションの有無、電気工事の有無などあらかじめ要望を確認します。
ここまでの行程を荷物確認か内容確認のどちらを先に始めたとしても、どう簡単に考えても10分以上は掛かります。
引越しの見積もりとは何か?
その後にお客様のご希望を聞きながら引越しのプランをすり合わせていきます。当然ですが希望されるプランとこちらの提案するプランが合わない事も多くあります。
例えばお客様は料金重視で荷造りを自分でするプランを選択していたとします。しかし小さなお子様がいれば、荷造りを引越し業者でするプランを提案すると思います。
料金はプラスになりますが小さなお子様を抱えての引越しは大変な作業になり、その中でも荷造りの負担はとても大きなものとなります。
心ある引越し業者ならまず荷造りを提案すると思います、そしてメリットとデメリットを説明します。料金重視であることは理解できますが荷造りの大変さもプロとして説明します。
30分の中でこの様な話しをして行くことは無理です、不可能です。
引越しは提案営業なのか、商品を売るだけなのか?
業者 「荷造りのプランはどうされますか?」
お客様 「予算が有りますから、自分でやります。」
業者 「わかりました。ご自身で梱包されれば一番お値打ちなプランになりますよ。」
お客様 「それでお願いします。」
こんな会話だけで終われば時間は短縮できますがお客様は千差万別です。それぞれの事情を考え提案をする事が営業だと思います。
営業はプランナー
営業というか私はプランナーだと思っています。お客様に対して何も提案が無いのであれば、それは宅配便と同じ事だと思います。
1個の荷物を送るのに荷造りをお願いする事は無いと思います、それは当然です。
しかし引越しの場合は30個・50個・100個の様になります、宅配便とは違うのではないでしょうか?荷造りをお必要とする人がいるのではないでしょうか。
荷造りを受け付ける事が出来ない引越し会社もあると思いますので一概には言えませんが、大手といわれる引越し会社なら荷造りにしても専門のスタッフがいます。
そして提案営業が一般的です。その状況でただ提案も無しに聞くだけで終わる営業はいかがなものかと思います。
各引越し会社は見積もりに回る件数も一人で多くの数を回らなくてはなりません。数を回る為に見積もりの内容を簡素化して30分で見積もりを終わらせる事は可能です。
しかし30分で何が出来るのかを良く考えなくてはなりません。
本当のはなし
ほとんどの引越し会社は見積もりに1時間は掛かっている現状です。30分で大丈夫な会社はごく少数といえます。
30分で見積もりを終える引越し業者は「見積書」も置いていかない所もあるようです。後から渡しているとは思いますが通常はその場で「見積書」が出ます。そしてその「見積書」を元に他の業者との比較・検討をします。
私たちも30分しか時間を頂けない事がよくあります。
30分では話しの途中で終了になるのが普通です、そうなれば提案営業は一切せずに見積もりのみを完了する「タイムトライアル」をするしかありません。
実際はお客様が30分間隔で業者を呼んでしまいその結果時間がずれ込みます。玄関前で多くの業者が待っている事になるのが現状です。順番待ちと言うわけです。
結論
まともに営業するためには最低1時間は引越し業者の為に用意して下さい。業者から30分あればと言われることがありますが1時間と思う事が大切です。
引越し業者としてはとにかく家の中に入るため、それも他社より前に入り契約を取ろうとします。引越し業界は「即決」が基本のため、他社に先を越されると負ける可能性が高くなるので強引になる傾向があります。
その為「すぐ終わりますから30分もあれば」と言って先に強引に入り込む事も作戦と言うわけです。
そして決めて頂けるまで出て行かない引越し業者もあります。
この様にその場で決めて頂こうとする営業方針の会社が多いのですから、30分で終わらないことは分かって頂けるのではないでしょうか。
引越し作業の時間も参考に
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