自社研修センターでの研修を売りにしている大手引越し会社がありますが、会社の企業としての取り組みは素晴らしいものがあります。
引越し業者が研修センターでする事
それぞれの引越し会社で違いがあると思いますが、共通して言えることは常識を逸脱した凄いことをしている訳ではありません。普通のことをしているだけです。
家屋を再現しての家具運搬の研修
通常より間口や通路を狭くするなどの厳しい家屋内の状態を再現して研修を行います。社内の認定制度を設けて技術レベルを競うような試験がある場合もあります。
研修センターがあるという事は引越し会社にとってはある程度のアドバンテージになると思います。
ただし引越し屋の私としては「ある程度」のアドバンテージであると思っています。
なぜ「ある程度」なのか?
確かに研修センターを作る事は企業として素晴らしい事だと思います、しかし常に全従業員が研修センターを使う事は難しいのです。
引越し業界最大級の研修センターを持つ「アリさんマークの引越社」で全国11ヶ所の研修センターとうたっています。
大手引越し会社の社員数はアート引越センターで2000名弱、アリさんマークの引越社で4000名、サカイ引越センターで4600名ほどになります。アルバイトの数を入れるとその倍くらいの数にはなると想像できます。
試みとしては大変素晴らしい研修センターですが、全従業員の数に対しては少ない事は事実です。
私の会社も研修センターが有り、会社の取り組みと内容は素晴らしいと素直に思います。しかしそれほど研修センターを利用できる機会は無いのです、それにアルバイトが研修センターを使う機会はありませんでした。
やはり作業という物は現場を経験して覚えていくという事が基本であると思います。しかしその現場で教える側の社員教育には少なからず役に立っている事は事実であり、研修センターが意味を成さない物では無い事もまた事実なのです。
各引越し会社のお店でも研修はできる
研修センターの有無が研修を行う、行わないがイコールではありません。
研修センターなど無くても、どこでも建物さえあれば練習できる事が、引越しの作業なのです。それこそお店の中でも通路でも出来ます。
大手引越し会社勤務の私が言ってしまうと「研修センター」を否定しているようになりますが、否定をしている訳ではありません。
「研修センター」に関しては大賛成です。しかし素晴らしいシステムに対して実情が追いついていないと思え、少し残念かなという心情での話しになるのです。
大手引越し業者の「研修センター」は中小の引越し業者に対してアドバンテージがある事は事実でも、確実に質が高くなる訳ではない事も事実です。
ただ盲目的に大手引越し会社は「研修センター」があるから作業が良いと判断する事は危険です。やはり見積もりを取ってから判断の一部にする材料程度に考えるほうが良いと思います。
まとめ
大手引越し会社の「研修センター」は素晴らしい取り組みです。
しかし従業員の質は「研修センター」の有無では決まらない事を理解して下さい。