引越しの時に困ることが、戸建ての2階・3階に家財を搬入する事ができない時です。
通路を物理的に通らない場合には、特殊な作業が必要になってきます。
戸建てへの引越しは搬入が困難な場合が多々ある
大型な家具、ソファー、冷蔵庫などは1階部分に搬入する場合は問題ないのですが、2階・3階に搬入となると入らない事があります。
その際に取る手段はベランダや窓からロープで吊り上げる作業を行いますが、大変危険な作業であるという事と家財や家屋に傷が付いてしまう事があります。
画期的な「昇降機」の利用
大手引越し業者の中には「昇降機」というクレーンの様な物を使い荷物を外から搬入します。
メリット
人の手による吊り作業では無いために安全性が高い事が挙げられます。安全性については吊り作業による作業員の落下の危険性があり、実際には死亡事故も起きています。
荷物に関しても傷をつける危険性が大幅に減少するために、大型の家具や高価な家具の搬出搬入にも安全を確保できるのです。
デメリット
現状は「昇降機」を保有する引越し業者はほとんど無い事です。大変便利な「昇降機」ですが、稼動させる為には昇降機自体の保有とオペレーターの育成が必須となります。採算だけで考えた場合にはメリットは無いと思われます。
その為に中小の引越し会社での保有は現実的に難しい事になるのです。
大手引越し会社で「昇降機」を売りにしている会社は「サカイ引越センター」と「アリさんマークの引越社」がこの分野では強いように思います。
大型タイプの「昇降機」の事をサカイ引越センターは「スーパーデッキ」と呼び、アリさんマークの引越社は「フライングデッキ」と呼んでいます。
この大型の「昇降機」は積載能力が高く昇降する部分にはオペレーターと荷物が0.5トン分くらいは乗るのではないでしょうか、搬出搬入が困難である荷物の為だけではなく、他の荷物も安全に運ぶ事が出来るのです。
この「昇降機」については正直な話し、大切な家財があり搬出搬入が困難となるような場合は他の引越し業者に対して大きなアドバンテージになるのは間違いの無い事実だと思います。
注意点として「昇降機」が使えない場所が多くある
「昇降機」は高所作業車となる為、車体を固定するために4本の固定用の脚のようなアームを地面に対して固定する必要があります。
固定の際は「昇降機」の車の幅よりも広いスペースが必要になります。スペースを確保できない場合は使用ができません。
天候による影響も非常に受けます、風が強い場合や雨が降っている場合には使えない事もありますので注意が必要になります。
昇降機がある引越し会社に他社は勝てないのか?
「昇降機」を確保している事がイコールで良い引越し業者ではありませんが、保有していない業者に対してのアドバンテージは計り知れないことは事実だと思います。
作業に関しては作業員の質によるところが大きい引越し業界ですが、機械で搬出搬入をすることにより質の低減を最小のものに出来るメリットがあることも事実です。
しかし「昇降機」の保有台数と稼働台数を考えてみると、全体の引越し件数に対しては「昇降機」の恩威はわずかな物になるのではないでしょうか。特別に昇降機を必要とする人以外にメリットは無いのです。
大型な家財があり吊り作業が発生する場合には「昇降機」が有る引越し会社をメインに考える事にメリットが有りますが、そうではない場合は特別気にする必要はないのです。
まとめ
引越し会社の姿勢としては「昇降機」が有る事は素晴らしい事であると思います、しかし必要とする人以外には「用の無いもの」である事には変わりません。
自分自身の家財をみて「昇降機」が必要かどうかで見積もりに来て貰う引越し業者を選定する事も良いと思います。