運搬上で注意が必要な物で振動に弱い製品に「カラーレーザープリンター」があります。
プリンターと言うと、それほど注意が必要ではないような気がしますが、じつは「カラーレーザープリンター」がとてつもなくクセモノです。
引越し作業員は「カラーレーザープリンター」運搬時の処置を知らない
プリンターの運搬時には必ずメーカーが添付している取扱い説明書に運搬に関する注意点の記載があるので必ず守る必要があります。
注意を怠りそのままの状態で運搬した結果、プリンターが使用できない事になる場合があります。
引越し業者は運搬に関しての専門性は知らない
引越しの時に作業員には特別な知識はありませんので、特別な処置が必要な場合は依頼主の方でする必要があります。
運搬時の内部破損は補償対象外
一般の荷物と同時に運搬する場合は特殊な運送方法を取ることはありません。普通の衣類や家具類と同じように運ぶ事しかないのです。
購入時の箱が有り梱包されているのであれば運搬はスムーズに行う事が出来きますが、箱が無ければその場で簡易に梱包して運搬するしか引越し業者の取る手段は有りません。
それも他の荷物と積み合わせする為に精密機械を運搬する事には適さない事は明らかなのです。
通常の家具の運搬同様で運んだ際に出る内部のインク漏れや破損は補償対象外になる為に安易に考えては駄目です。
何か有ったら引越し業者が補償してくれるだろうという考えで、運搬に必要な処置を施していない場合には一切の補償はされません。
保険が有ろうと無かろうと引越し業者の責任が認められないものに対して補償はされません。保険で何とかならないの?という事は全く通りませんので注意してください。
保険屋もプロですから出す必要の無い費用は一切出しません。安易に何か有れば保険で補償されると思ってはいけません。
「カラーレーザープリンター」の運搬は専門業者で
扱いとしては「ピアノ」や「仏壇」と同等で専門的な運搬と知識を要しますので必ず専門業者で運搬を依頼するようにしましょう。
引越し業者でも運搬するだけであれば問題は無いのですが、内部の事を含めて取り扱い方法は専門外です。
営業マンの大半は知識が乏しく専門的な事について分かっていない者が多く存在します。
どんな荷物でも大きさだけを考慮して、トラックに積めるか否かだけを判断している場合が多いのが現状です。
基本的にはすべて現場作業員に丸投げします。
参考記事
専門業者を使わない理由
簡単な理由として料金が掛かる為です。
プリンターの運搬で多ければ数万円の費用が掛かります。当然ですが引越し代金の総合計が高くなれば契約を頂くことに不利になるという考えが出てくるのです。
特に比較的新しい営業マンはその傾向が強く要注意になります。ただしベテラン営業マンでもとにかく安く料金を提示する事しか考えていない者もいますので注意が必要となるのです。
運搬上の注意は何か?
特に注意点は「トナーカートリッジ」の扱いです。
取扱説明書に必ず出てくる事は「トナーカートリッジ」をプリンター本体から取り外して運搬する必要があるという事です。
どうしても日頃からカラーレーザープリンターを使用していると、いざ移動させる際に注意が怠ってしまいます。
そのままでも運搬出来ると思い込んでしまう事と、引越し業者の営業マンが特にアドバイスがない為に安易に考えてしまい、危険な状態で運搬してしまう事が発生するのです。
そのままの状態で運搬した場合
最悪の状態はトナーがプリンター内部で大量にこぼれ出てしまいます。その場合は当然ですがプリンターはそのままでは使う事が出来なくなります。酷い時は使用が出来ない状態となりトナーカートリッジも交換になるのです。
トナーカートリッジの交換は1個(1色)あたり数千円から2~3万円ほど掛かる事が普通です。
そのトナーカートリッジを4色必要となれば軽く数万の出費になります。そしてプリンター自体のメンテナンスに掛かる費用も考えなくてはなりません。
引越し業者は責任を負わない
トナーカートリッジがこぼれ出たとしても引越し業者に責任を負わせる事は難しい事になります。なぜなら所有者が運搬に必要な手立てをしなかった為に起きた事故であり、引越しが原因とは言えない事になるのです。
取扱い説明書には運搬時の注意点が記載されているので依頼主の不備とみなされるのです。
納得できないと思いますが引越し業者の知識は全てには及ばない事が現実であるのです。営業マンは万能ではないので自己防衛しかありません。
当然カラーレーザープリンターを引越し業者が誤って落下させた様な場合は引越し業者の責任となりますが、まずその様な事は起きる可能性は限りなく低いと思います。
実際起きた事故
カラーレーザープリンターの運搬を専門業者に委託していない為に自社のトラックで運搬したところ、大量にトナーカートリッジの中身がこぼれ出てプリンターはインクまみれになりました。
ただその時の運搬に不備は無く原因を考えるのであれば、一番の要因としてトナーカートリッジはカラーレーザープリンターに付いたままでした。
しかしお客様にてプリンターは箱詰めしてあった為にこちらでは確認できない状態での運搬であったのです。
そして事故が起きた可能性として次の様な事しか考えられないのです。
- 人の手で運ぶ際にプリンターを「床に置いた時」の振動
- 運搬時の「トラック」自体の振動
- 搬入搬出の際に使用したプリンターを載せた「台車」自体の振動
一般の荷物としては全く損傷を起こす内容ではありませんが、プリンターにとってトナーカートリッジを付けたままの状態では、大変危険な運搬方法であるという事です。
対策
大型なカラーレーザープリンターは専門業者に委託しましょう。
もしも引越しの営業マンが自分たちのトラックで運ぶという提案をするのなら、取扱い方法はどうするのか確認で聞くことをしましょう。
もし「トナーカートリッジ」を外す事を知らない営業マンであるなら危険ですから専門業者に依頼する提案をこちらからする必要があるのです。プロの営業マンだからと言って無条件に信じては駄目です。
引越しの営業マンは「プロ」ですが実は知らない事がいっぱいあるのです。事故を防ぐ為にはあなた自身が「賢い消費者」にならなくてはいけません。
小型な家庭用のプリンターの場合は取扱い説明書を見てトナーカートリッジを事前に外すなどの必要な処置をすれば問題は無いと思いますが、営業マンには念を押して注意を促したほうが良いでしょう。
まとめ
大型のカラーレーザープリンターは専門業者で運搬する。
引越し業者は基本的に、精密機械の運搬業者と提携していますので、専門業者で運搬するように依頼しましょう。
ただし料金は別途かかりますので、注意してください。
家庭用の小型の物は自己責任において「取扱い説明書」の運搬方法を施工しておく必要があります。
内部の液漏れや破損に関して引越し業者は責任を負いませんので注意する必要があります。