引越しの見積りは各社の競争が激化しており、引越し業者は「あの手この手」を使い顧客の獲得に乗り出している現状です。
後出しで勝負をする引越し会社
本来見積書は見積り時に渡すことが通常ですが未だに渡さない業者が有る事が事実です。
多くの引越し業者が使用する「標準引越運送約款」に定められている内容では見積りを行なった際に見積書を発行するとありますが、イレギュラーな場合を除き見積りしたその場で見積書を渡すことが通常です。
ちなみに標準引越運送約款では以下の様に記載があります。
○ 標準引越運送約款(平成二年運輸省告示第五百七十七号)
最終改正 平成十五年 国土交通省告示第百七十号第二章 見積り
(見積り)
第三条 当店は、引越運送及びこれに附帯するサービスに要する運賃及び料金
(以下「運賃等」という。)について、試算(以下「見積り」という。)を
行います。
2 見積りを行ったときは、次の事項を記載した見積書を申込者に発行します。
一 申込者の氏名又は名称、住所及び電話番号
二 荷受人の氏名又は名称、住所及び電話番号
三 荷物の受取日時及び引渡日
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四 発送地及び到達地の地名、地番及び連絡先電話番号
五 運賃等の合計額、内訳及び支払方法
六 解約手数料の額
七 当店の名称、事業許可番号、住所、電話番号、見積り担当者の氏名及び
問い合わせ窓口電話番号
八 荷送人及び荷受人並びに当店が行う作業内容
九 その他見積りに関し必要な事項
3 前項第五号の記載については、第三号及び第四号の事項並びに積込み又は
取卸し作業等に応じて運賃等の内容ごとに区分してわかりやすく記載します。
4 見積料は請求しません。ただし、発送地又は到達地において下見を行った
場合に限り、下見に要した費用を請求することがあります。この場合には、
見積りを行う前にその金額を申込者に通知し、了解を得ることとします。
5 当店は、見積りの際に内金、手付金等(前項ただし書の規定による下見に
要した費用を除く。)を請求しません。
6 当店は、見積り時に申込者に対して、この約款を提示します。
7 当店は、見積書に記載した荷物の受取日の二日前までに、申込者に対して、
見積書の記載内容の変更の有無等について確認を行います。
見積書をその場で置いていかない理由
引越し業者が見積書を置いていかない理由には色々ありますが代表的に次の事が考えられます。
1.会社の移転のような一般家庭よりも大型な引越しの場合にはプランの作成を持ち帰り検討する必要がある。
2.引越しの申込者が見積り時に立ち会う方と違う場合(会社・役所や行政からの依頼など)依頼主に見積書を渡すため。
3.見積りに来た営業マンが新人などで対応出来ず一旦会社に持ち帰る場合。
4.他社との競合を考え、後出しする為に見積書をあえて出さない。
顧客の事を考えていない後出しの見積り
一番ユーザーの事を考えていない引越し業者や営業マンが行う手段は「他社との競合を考え、後出しする為に見積書をあえて出さない」事です。
他社の全ての見積書が出た後に様子を伺い金額を探り他社批判を行いながら自分の会社が一番良いかの様に出してくる場合があります。
確かに他社と競合する場合はユーザーにもメリットがありますが、他社の出方次第で提案を変えてくることは言うなれば金額は有って無いような物という事です。
提案後に値引きをするのと後出し提案は似て異なる物
見積り時に料金提案やプランをしっかりと出してから金額交渉に対応してくれる営業マンと、他社の金額が高ければ高く、低ければ低く出すという後出しの営業は似て異なる物なのです。
他社競合を考えれば一見普通の事に思えますが、最初からプラン・金額をしっかり提案をしてからの値引きする場合と最初から他社の見積りが出てから出すつもりの業者では意味合いは全然違います。
「後出し営業」とは要するにユーザーの出方次第で適当に見積りを出すことをしているのです。一大イベントである引越しをどの様に考えているのか疑問に思えます。
あの引越し業者が後出しなら当社も後で出します
非常に嫌な流れがあります。
他社の営業マンが見積書を後出しするので自分も後で出しますと言う営業マンが後を絶ちません。確かに競争が厳しい事は事実ですが、サービス業である引越し業界が誰の為に営業をしているのでしょうか?
商売である事は変えようのない事実ですが、非常に嘆かわしい事だと思います。
後出しが悪いとは言いませんが良く見極めましょう
競合他社が多く激化している引越しの営業でユーザーからの交渉は当たり前となりますが、契約を取る為だけに手を尽くす営業マンよりユーザーに必要な内容をしっかりと提案してくれる営業マンは誰なのかを見極める必要もあるのではないでしょうか。
どの会社も繁忙期以外は金額交渉もできますので、まずはユーザー目線で考えてくれる営業マンは誰なのかを考えては如何でしょうか?
まとめ
特別な理由があれば別ですが、普通に考えて見積書を置いていかない営業マンは信用できない事が多いという事は事実だと思います。
見積書は必ず見積り時に貰うようにしましょう。頑なに拒否する営業マンには注意が必要です。
そんな営業マンが良い引越しを提供してくれるか考えてみましょう。