引越しの料金について相場を調べても決まった回答がありません。
引越し経験者から聞く内容はどれをとってもバラバラで参考になる「相場」がいくらなのか結局分からない事がほとんどではないでしょうか。
引越しの需要は不安定
引越し業界で料金の相場ははっきり言ってあって無いようなものです。非常に不安定な市場と言っても過言ではありません。
引越し料金について厳密に言うならば「定価」が存在することは確かですが「定価」で契約が行われる事はほとんど無いと言えるでしょう。
引越しとは毎日必要量が変わります、今日10件の引越しが必要であったとしても明日10件必要とは限りません。もしかすると2件しか引越しの予定がないかもしれない業界であるのです。
毎日がどれほど引越しが必要とされて契約(売れる)になるのか分からない商品といえるのです。
引越しの料金は野菜や魚のようなもの
野菜や魚は時期や日によって収穫量が違います。収穫量が違えば毎日のように市場で取引される金額は違いをみせます。
野菜で言えば収穫量が多い時に1個100円で取引されている物が収穫量が少ない(希少)時には2倍の金額である200円で取引されることもあるのです。
引越しも同様に必要とされる数が多い時と少ない時では同じトラックを使ったとしても2倍以上の料金差が出ることがあります。
それも時期による違いだけではなく1週間という短い期間の中でも料金差は常に発生しているのです。
例えば平日の「仏滅」の引越しが5万円で提示された物が週末土曜日の「大安」であった場合には2倍の10万円で提示されることも当然のようにあります。
旅行業界とも似ている
旅行業界でも料金の高低差は激しく違います。通常時期の平日と長期連休である夏休みやゴールデンウィークでは2倍くらいの料金差になることがあります。しかしこの料金差は誰もが理解している珍しくもない事です。
そして長期連休中は宿泊先や交通機関なども予約ですぐに埋まってしまうことも理解しています。
引越し業界もまったく同じと言っても過言ではありません。長期連休中は大変込み合うのでトラックもすぐに満車になってしまいます。逆に通常時期の平日ではトラックが使われずに引越し会社の駐車場で何台も止まっています。
年間を通じてこれほど需要と供給が不安定な引越し業界は旅行業界と同じように考えてみることにより理解しやすいと思います。
引越し業界のピークは春
引越しの繁忙期と呼ばれる3月4月は年間を通じても最大のピークとなります。この時期の引越し料金は通常時期の2倍から5倍くらいにはなります。
かなりアバウトな表現ですが事実引越し業界の料金の決め方はアバウトという言い方が適切と言えるでしょう。
1月の引越しで3万円であった物が3月では10万円であった、1万円で引越しできた物が5万円もかかったなど時期により「時価」のように変わります。それだけ需要と供給のバランスが左右されるのが引越し業界といえます。
引越しの料金の考え方
最初に断っておきますが今からお伝えする考え方は全国的にある「大手」引越し業者の相場になりますので中小の引越し業者では若干違う場合があります。
しかしこの法則を覚えておけば引越し業者との料金交渉に少しは役に立つと思いますのであえてお伝えします。
基準となる料金は半日行程(市内の移動)とします。
片道100キロ以上ある中距離の場合は、1日行程になるため2倍の料金になります。
片道300キロを超える長距離は行程により3倍以上になります。
電気工事などの付帯サービスは別途必要です。
1トンあたり20,000円
1トンあたり10,000円
1トンあたり40,000円~50,000円
※2トンロングは3トンと計算します
1トンあたり10,000円なら底値と言える
つまり2トンが必要な引越しであれば20,000円が採算ギリギリのベースであると言うことです。40,000円あれば引越し業者としては合格点といえます。
繁忙期には2トンであっても80,000円から100,000円かかることになります。ただしフリー便などで料金が若干かわることもあります。
この法則から考えると通常時期は2トンであれば20,000円は十分に底値といえます。
引越し業者によってはもう少し値引きをしてくる場合もありますが、可能性は低いと言えるので、20,000円であれば迷う必要はないでしょう。
この考え方は4トンであれば40,000円が底値です。ここまで交渉出来ればまさに文句なしの料金といえます。自信をもって契約すると良いでしょう。
ただし平日であっても混み合っている日には1トンあたり20,000円までしか割引きをしないこともあります。
引越し業者に空き状況を確認してトラックの空いている日にすれば料金は変わりますので、いろいろと営業マンに相談すると良いでしょう。