引越し作業は日頃から「破損」が多くおこるサービスと言っても過言ではありません。
破損の原因はいろいろありますが多くの要因としては引越し作業員による「注意不足」「養生不足」そして「梱包不足」と言えます。
引越し作業に必要なもの
一番必要である事には引越し作業員による自分自身に対して注意する意識と言えます。
実際のところ破損を出さないという「意識」が無ければ作業の不備は多くでます。荷物を破損させてしまう事や家屋を傷つけてしまう事もあります。
人は意識次第で行動が変わることは大いに理解できるのではないでしょうか?
例えばですが厳しい上司が横にいれば作業には細心の注意を払うと思います。しかし誰にも何も言われない環境は気が緩む傾向にあると言えるでしょう。
人はなかなか自分に厳しくは慣れない一面があります。しかし自分自身の事であれば自己に厳しくできなくても人には迷惑はかかりません。しかし引越しという仕事では自己に厳しくして貰わなくては「破損」が出てしまう事になるので注意してもらいたいものです。
引越しの現場には監視する上司はいない
当然ですが引越しの現場に引越し会社の責任ある上司は同行しません。つまり引越しという仕事は管理体制がないといえるのです。
そのため良い作業員に運よく当たれば良いのですが、意識の低い作業員に当たってしまった時にはイヤな思いをすることもあります。言ってみれば「運」みたいなモノと言えるでしょう。
しかし大切な家財の引越しをするにあたって「運」だけで片付けるわけにはいきません。大切な荷物と家屋が無事に傷つかずに引越しが行われるか重要なことです、「運」で終わらす様なことではありません。
なんとか上司がいる様な状態でキッチリと作業してもらいたいと思うはず、しかしそれにはどの様なことをすれば上司がいる状況と同じように「キッチリ」作業をしてもらえるのでしょうか。
監視体制を意識させる方法
引越しの作業員の意識を向上させる方法は「見られている」という事を分からせることが一番といえます。
引越しは非常に大変な作業です、体力的にも消耗が激しいので少しでも手を抜くことを考えがちな仕事とも言えます。
スポーツで考えてみれば分かると思いますが終始全力でプレーを行う事は不可能です。サッカーにしても試合中ずっと全力で走り回っていては体力が持ちません。常に力の抜きどころがあるのです。
引越しに関しても力の抜きどころがいろいろとあります。それ自体は悪いことではありませんが監視する観客もいなければ監督もいません。
つまり悪い言い方をするのであれば「勝手気まま」に作業することも出来るのです。その様な状況は手を抜くことが多く見られるのです。
手を抜くことの代表的な事例
引越しの作業で「手を抜く」とはどのような事でしょうか。実際におこる弊害としては大きく分けて2種類あるといえます。
- 1.家具や家電製品の梱包をすることに対して「手を抜く」
- 2.家屋の養生をすることに対して「手を抜く」
この様なことが起これば家具や家屋の破損に直結することになります。それはどの様な事態になるのか考えていきます。
1.家具や家電製品の梱包をすることに対して「手を抜く」
タンスや冷蔵庫などの大型な家財は引越しの当日に梱包して搬出、搬入という手順で行われます。
当然のことですが梱包をする意味合いは家財に傷を付けない事が一番の目的となりますが、家財自体に直接傷が付くことを防止するだけではありません。
大型な家財を運ぶ時には家の中で壁に当たってしまう事があります。強く当たらなくても擦るだけで壁には傷が付いてしまうのです。その傷を防止する為にタンスや冷蔵庫などの大型な家財はしっかりと梱包する必要があります。
大きな家財だけではなく小さな家具や家電に関しても通常はすべてを梱包するのが引越し会社といえます。ただし大手ではない中小の引越し会社によっては梱包をあまりやらない所もあるので確認が必要といえます。
中小の引越し業者は梱包を簡素化することで引越し代金を安くしている場合があるので注意が必要となります。擁護する訳ではありませんが作業レベルが高ければ梱包が簡素でも問題ありません、逆に作業レベルが低い場合にはしっかり梱包しても傷やへこみが発生するので防止策は難しいともいえます。
2.家屋の養生をすることに対して「手を抜く」
「養生」とは聞きなれない言葉だと思います。
これは家屋の壁や床に傷が付かない様に保護する素材を当てることを言います。マンションであればエレベーターの中に保護用の板が貼ってあるのを見たことがあるのではないでしょうか。
家の中で荷物が通る壁や床をプラスチック素材の板やキルティング素材のカーペットのような物を敷き詰めることで家屋を保護するのです。
ただしこの養生作業は大変時間が掛かるために引越し作業員が一番手を抜くところと言えます。引越しの経験があまりない方にはどの程度「養生」が必要か分からないために引越し作業員によってはできるだけ手を抜こうと試みるのです。
このことは上司がいれば絶対に発生しない事と言えるのです。引越し業界は現場に来る作業員の意識次第で作業の質が「天と地」ほどに変わるサービスといえます。残念ながら本当のことですので自己防衛するしかないでしょう。
この「養生」に関しては見積り時にもらったパンフレットを見れば養生風景の写真があるので比較してみると良いでしょう。あまりにもパンフレットの養生と違う場合は作業員に「養生はこれだけですか?」と伝える事も破損防止の為には重要なことになります。
具体的に作業員の質を上げる方法とは
写真を撮る、動画を撮影することです。
これは大変効果的であり作業員が細心の注意を払うようになるきっかけになります。
ただし、こそっと撮影してはダメです、作業が開始する前に撮影することを作業員たちに伝えましょう。
伝え方はあまりトゲがないようにするのが良いと思います。例えば「記念に引越し風景を撮りますのでよろしくお願いします♪」や「ブログに今日の引越しを載せるのでよろしくね♪」などで十分効果的です。
引越し作業員は手を抜こうとしていた場合にこの「撮影」は非常に効果的です。
一般的な引越し会社は養生と梱包は必ずやるように教育されています。もし梱包や養生が不十分で破損を出せば個人的な責任を追及されることになります。
会社の意向に背いたのですから当然です、その為には証拠となる梱包不十分や養生不足が上司や会社に知られる事には過敏に反応するのです。
その結果、撮影されるイコール上司(会社)に監視されているのと同等であると感じるのです。その様な状況では手を抜くことは出来ないので破損の確率が著しく落ちるというわけです。
あまり良い印象を抱かないかもしれませんが、楽しく撮影していると作業員が思えば良いので「破損の証拠をつかんでやる」というニュアンスは避けるようにしましょう。
互いに気持ちの良い引越しができる為の注意方法として行えば効果的だと認識してください。撮影するという行為が上司の代わり役になるだけのことです、良い雰囲気をつくることも忘れない様にしましょう。