基本的なことですが、引越しの見積もりは自宅への訪問営業になります。
そこで引越し業者に見積もりに来てもらう日は、平日と土日などの休日とはどちらが良いのでしょうか?
仕事や休日の都合で見積もりに来てもらう日を決めると思いますが、その際に料金的な割引が大きくなるのは平日か休日であるのか気になるところではないでしょうか。
訪問する曜日によって変わる、引越し屋としての割引戦略を暴露しますので、参考にして頂ければと思います。
引越しの見積もりは1日ごとの契約件数が重要視される
引越し業界の見積もりは契約件数を重視しています。
1件あたりの単価も重要ですが、そこに拘っていては大きく値引きをする業者に契約すべてを持っていかれます。
そのため引越し業者の戦略の多くは「契約率」を優先することが一般的です。(引越し繁忙期を除く)
大きな割引をしてでも契約件数を増やし、数で勝負する戦略と言えます。
平日と休日の見積もり件数の差
引越しの見積もりに関しては基本的に土日へ集中します。
やはり世の中の多くの人は週末が休日という場合が多いため、平日に依頼がある見積もり件数の倍以上になります。
多い時には平日の4~5倍もの見積もり件数になることも珍しくありません。
そのため売上で言えば、土日が引越し業者にとって勝負の日となります。
平日は見積もり件数が少ないので契約が欲しい
土日が引越しの営業にとって、勝負の日ということは理解できると思いますが、そのため平日の戦略が重要になってきます。
土日に売上が上がれば、平日は売上が無くても良いなんて考えは当然ですがありません。
平日の少ない見積もりの契約を重ねていかなくては、引越し業者には仕事が無くなってしまいます。
そのため平日をいかに見積もり件数を増やし、そして契約を頂くのかが引越し屋として重要なことになるのです。
土日の半分以下の見積もりしかない状況で契約を頂くにはどうするのか、引越し各社の行う手段はひとつしかありません。
「大幅な値引き」による契約です。
平日は引越し業者すべてが安売りする
「平日の見積もりは契約を絶対にもらう」それが引越し業者にとっての使命とも言えます。
そのためにはどんな手を使っても契約を取りにきます。それも多くの引越し業者が同じことを考えます。
その結果は値引き合戦の開始です。
繁忙期の場合はすべてがイコールではありませんが、極論で言ってしまうと平日の見積もりは驚く値引きを引きだすことが可能と言えます。
この点は訪問で自宅に来る営業マンよりも、その上司である支店長や副支店長などの管理職に焦りがあります。
会社から契約率を重視した営業成績を指摘されるからです。
営業成績を重視する世界
引越しの営業だけではありませんが、とくに引越し業界の営業は見積もりをしたその場で契約を頂く「即決」を重視しています。
引越しの営業に至ってはその場で契約を頂けない場合には、その後に契約になる確率は著しく下がります。
それは営業スタイルが値引きを中心としているためです。
「さきほど来た〇〇引越センターはいくらでした?」そんな営業トークが飛び交うのが引越しの見積もりです。そんな状況では後からくる営業マンの方が有利になります。
そのため引越し業者としては訪問先の家を契約をせずに出てしまうと、後から来た他社に契約を奪われるという流れになってしまいます。
それだけは絶対に死守しなくてはならないため、営業マンとしてはその場で契約を迫るのです。当然ですが契約を取るために上司からの圧力も相当なものになります。
その日の契約件数が少ないと採算割れ(赤字)でも契約をする
平日の見積もり件数は土日と比較して非常に少ないのが現実です。(繁忙期は除く)
土日に1店舗30~40件の見積もりがあることは普通です。しかし平日は数件しか無いことが当たり前であり、1件の重みが違うのです。
見積もり件数が少なく契約にならないと、営業マン以上に困るのが上司である支店長クラスです。
本社へ毎日の営業成績を報告する際に、「本日の売上ゼロです」なんて絶対にできません。そのためには何がなんでも契約を迫ることになります。
その具体的な迫り方は「今決めて頂ければ〇〇円まで値引きします」という特別な条件を提示します。
その提示は状況によっては採算割れする場合もありますが、赤字になっても契約を取りに来る引越し業者は必ずいます。
採算割れでも契約を迫るかは状況しだい
もしも本日の営業成績が芳しくなく、契約がほとんどない状況ならば間違いなく採算割れしてでも契約を迫ってきます。
しかし、本日の営業成績が好調で予定より売上が上がっていた場合には、残念ながら大きな値引きは引き出せません。
コレばかりは当日の引越し業者の状況次第のため、引越しの料金とはその場その場で変わる「時価」と評される訳です。
だからこそ数件の見積もりは必要となるのです。数件の引越し業者がいれば必ず営業成績が不調な業者がいます。そのような業者の取る手段はもうお分かりの通り「大幅な値引き」です。
土日の見積もりが有利な場合の理由
料金的には平日の方が値引きを引きだすのに有利という話をしましたが、実は土日の方が有利な場合もあります。
土日に有利な状況とは「決済者がいる」ことです。
平日は仕事のあるご主人様の代わりに、話だけを聞いておくように言われた奥さまだけの場合が多くあります。
当然ですが契約を決めることができる「決済者」がいなくてはその場で決まることはありません。
しかし、土日は決済者の仕事が休みのことが多く、見積もりの場にいるため契約の交渉が滞り無く進みます。つまりは即決ができる状況というわけです。
即決ができる状況は営業マンがホンキで値引きをしてくる
引越し屋としては決まる可能性の見積もりには全力でいきます。そのため土日の見積もりは最初から割引が大きくなる可能性があると言えます。
その場に決済をできる人がいる状況で、その人を納得させれば契約になるからです。
逆に平日の見積もりは「どうせ決まらない」という営業マンの先入観と、どれだけ値引きしても最終的にはその場にいない決済者と相談した後にしか結論がだせないと言われます。
そうなれば労力は無駄になる可能性が高く、営業マンとしては無難な金額で様子見となります。
一番値引きの期待できる曜日と方法は何か
大きく値引きを期待できるのは、見積もり件数が少ない平日、これは絶対です。
それほど平日の見積もりが少ない状況は引越し業者として、危機感が高いと言えるのでなにが何でも契約に持ち込みたいと考えます。
しかし「決済者」がいない状況はデメリットとなるので、引越しの営業マンにはこう言いましょう。
「良い条件なら契約を考えています」と、これが最強の魔法といえる言葉です。
最強の見積もり日は平日の決済が可能という条件下
引越し屋の内情を利用した戦略になりますが、結論として一番の条件はつぎの2つです。
- 平日
- 契約を前提にしている(決済権がある)
この条件が一番引越し屋の値引きや良い条件を引き出せる方法です。
実際にわたしが支店長として引越し屋に務めているときに、平日の契約には苦戦しました。
平日はどこの引越し業者も見積もり件数が少ないので、大幅な値引きで契約を迫ってきます。そんな中で最終的な判断材料になるのは「いま決めてもらえるのか」という点でした。
交渉が難航した際に私たち管理職が下す決済は、時には赤字でも契約が欲しいのです。
その場合には2トン車の引越し1万円や4トン車2万円など採算割れでも契約を頂くように、営業マンに指示したことがたくさんあります。
引越しの料金は交渉しないと損
引越しの料金がすべての人が同じになることはありません。
例えば5月10日の4トン車での引越しを例にすると、同じ日時、時間帯や行程でもAさんは5万円に対してBさんは10万円なんてことは普通にあります。
引越し屋が営業時に注意するのは、お客さんではありません。実は競合他社の料金でしかありません。
他社が12万円で提示するなら11万円で交渉、他社が6万円なら5万円という具合でしかないのです。
引越し業者はどこも考えは変わりません、「できるだけ高い金額で契約を取る」それだけに尽きます。
だからこそ数社の見積もりをすることに意義があります。1社しか呼ばなければその業者はできるだけ高い料金で契約を迫ってくるだけです。
他社の見積もりが無いからラッキーとしか考えていません。
結論
引越しの見積もりは必ず数社は取るようにしましょう。
メンドウなことかもしれませんが、複数の引越し業者と見積もりをしなくては数万円の損になるのは当たり前と言えます。
そしてできる限り平日に見積もりをすることをオススメします。
内容が良ければ今すぐ決済可能であることも伝えるのをお忘れなく。このことは土日の見積もりでも同じです。
「どんな条件を出されても今は決めません」なんて絶対に言ってはダメです。引越しの営業マンも感情のある人間です。
そんな態度をされたら真剣に値引きや良い条件なんて提示しません。
実はわたしもそんな人に対して、超高額の見積もり書を置いて帰って来たことがあります。そのころ毎日7~8件の見積もりを毎日していたので、一瞬で「労力をかける価値のない客」になりました。
見積もりで良い条件を引きだすために忘れてはいけないことは、引越しの営業マンと会社が値引きをしたい状態を作り出すことです。
そのためには次の3つを忘れないように実践しましょう。
- 数社から見積もりをする
- できるだけ平日の見積もり
- 納得すれば契約をするスタンス
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