引越しの見積もりで大切なことは自分たちに合った良いプランを提案してもらうことが一番です。しかし同時に引越し代金のことも非常に重要であると言えます。
とても良いプランを提示されても料金的に予算を大幅にオーバーしては何の意味もありません。
引越しの料金を安くしてもらう方法はいろいろありますがその中でも少し高等編をお伝えします。
基本は複数の引越し業者を比較する
すごく一般的なことですが「比較」することは料金交渉においてとても重要なことです。
引越しの見積もりは業者同士をぶつけることによって値引き競争に突入していきます。
その値引きでも数社の引越し会社が競い合うために十分ともいえますが、もう一段階上の値引きを引き出すには違うアプローチが効果的な場合があります。
電気工事などの「付帯サービス」によって割引が増えるのか
引越しの場合はエアコンやウォシュレットなどの移設工事や仏壇、ピアノなどの特殊な家財の移動が必要なことが多く、引越し業者へ一括して依頼することが一般的です。この様な「付帯サービス」が引越し業者の重要な売上の一部となっています。
しかし電気工事などの「付帯サービス」自体は値引きをしていない事がほとんどです。それは付帯サービスは基本的に外部の業者に委託しているため割引対象外となります。
エアコンなどの電気工事や仏壇、ピアノなどの移動に関しては専門の業者と提携することで引越し業者は成り立っています。その為に委託している「付帯サービス」に関しては基本的に料金を変動させません。
もし付帯サービスの部分まで値引きをすれば引越しで利益を出すどころかサービスを増やせば増やすほど利益がマイナスになります。引越し業者が「付帯サービス」を受注すればするほどマイナスが膨らむのであれば経営は成り立たちません。それこそ薄利多売どころか赤字が発生することになるでしょう。
つまり引越し業者の値引きは引越し代金からの割引が基本的には限界となるのです。引越しの実費と呼ばれる「作業料」からしか値引きはないと言えます。
実際には「付帯サービス」がある方が値引きは大きくなる
「付帯サービス」から値引きはしないと言いましたが実際のところは「付帯サービス」が増えることによって割引き幅は大きくなります。先程まで言っていた事と矛盾していると思うはずですがなぜ割引きが大きくなるのでしょうか。
付帯サービスは外部に委託していると言いましたが、当然ですが引越し業者にも取り分があります。俗にいう「中間マージン」と言われるものを引越し業者は上乗せしています。
「付帯サービス」を追加することによって多少の中間マージン部分は割引きにあてることが可能といえます。ただし利益は残らなくなるので引越し業者としては触れたくないのが「付帯サービス」の中間マージン部分といえるでしょう。
なぜ利益が無くなっても「付帯サービス」によって割引きが増えるのか
引越し業者にとって大切なものは当然ですが「利益」を残すことです。
会社を運営していくには「利益」を生み出さないと経営は成り立ちません。そのことは誰もが理解できる簡単な事といえます。
しかし「利益」の前に「売上」が重要であることも事実なのです。
- 売上:純粋に客から領収する金額の合計
- 利益:売上から人件費や資材などの経費を除いた純粋に残る金額
よく企業は「売上」という数字を発表すると思いますが、この「売上」は非常に重要な数字となります。まずはどれだけの金額の「売上」があったのか企業には大切な数字となります。
「売上」の数字が大きくならなければ必然的に「利益」を伸ばすことも難しいといえます。
本来は利益を考えて物(サービス)の金額は設定されますが、引越しのような薄利多売の商売は売上を少しでも伸ばさなければ「利益」が増えてきません。
その「売上」に重きをおく考えにより5万円の売上で5000円の利益が出る引越しよりも10万円の売上で3000円の利益しか出ないものを選ぶいびつな考え方が蔓延しているといえるのです。
それは後者の10万円の方が利益が少ないけど「売上」が多いからです。
普通に考えれば無駄な経営だと思いますが企業とは「売上」を重視する考えは根強くあるといえます。
「付帯サービス」が増えれば「売上」が上がる
エアコン工事やピアノ移動などの「付帯サービス」が増えることにより「売上」は簡単に数万円単位で増えることになります。
その為に値引き交渉は格段にしやすくなるのです。
引越し代金の合計が5万円の値引きよりも、「付帯サービス」を含めた10万円からの値引きの方が交渉のハードルは低くなります。
この部分を理解して見積もりすることが値引きを最大限に引き出す重要なことになります。
究極の値引きを出す方法
引越しは最大限のプランを算出してもらいましょう。
エアコンがあるのであれば必ず料金の中に入れるようにします。エアコンプランの中でも高いプランで見積もりを出すようにします。
エアコン基本脱着の1万円くらいの安いプランではなく部品代込みの2万などの高いパックプランで料金を出すようにします。
ウォシュレットがあるのであれば自分で脱着を考えるのではなく必ず電気工事のプランに入れましょう。
この様にすることで引越し代金はトータル金額が膨れ上がってくるでしょう。
つまり膨れ上がっているのは「売上」であるため大きな値引きを獲得できるチャンスが広がることになります。
特にこの引越し代金のトータルが膨れ上がった段階では、各引越し会社としては安い引越し代金の客よりも本気で獲得しようと躍起になってくるでしょう。
それこそ通常以上に値引き競争が激化しますので「付帯サービス」が無い、もしくは少ない時よりも割合的に大きな値引きを獲得できるのです。
まとめ
引越しの値引きはトータル金額が多いほど引き出しやすい。
予算の都合で初めから少ない金額になるような交渉は絶対にダメです。
特に自分である程度荷物を運ぶので安くしてとお願いするのは逆に値引きを引き出しにくいといえます。
確かに自分である程度の荷物を運ぶことによって必要なトラックサイズが小さくなります。
当然ですがトラックが小さくなれば料金の設定が安くなりますが「値引き」が大きくなるわけではありません。
ただ単に自分が努力することで引越し代金を少し浮かす行為といえます。
しかし結果的に小さなトラックとなれば割引できる幅は小さくなるので、お得かと考えるとお得ではないのです。
本当にお得になるためには、引越し業者が最大限に値引きする状態に持っていく必要があるのです。
そのひとつが「見積もり比較サイト」で一括見積もりをすることです。
もうひとつ重要なことは引越し代金の合計を上げることです。合計金額が増えることでより多くの割引きを勝ち取ることができる可能性が高くなります。
もし契約後に「付帯サービス」が必要なくなった場合には「付帯サービス」だけキャンセルすれば良いのです。
せっかく勝ち取ったお値打ちな料金ですからそのまま「付帯サービス」を含めたかたちがベストと言えます。
しかし契約後に「付帯サービス」だけ外される方はかなりの割合でいることも事実です。
引越し業者としては「うまく値引きを引き出したな…」という感じですが違法行為ではありません。客として当然の権利であることは間違いのないことです。
ただわたしの個人的見解はせっかくお得になったいろいろ「付帯サービス」が入ったプランの「付帯サービス」だけ外すのはもったい無いかなと思います。