引越し業界にとって人材を確保するもっとも方法はアルバイトの雇用です。
当たり前といえば当たり前のことですが、自分自身の財産である家財のすべてを扱うことに少し抵抗があるかもしれません。
引越しの従業員が全員社員は絶対にありえない
中小の引越し会社を含めると正確な事は言えませんが、通常は正社員だけという事は非常に難しいことになります。
これだけ通年で必要人員に幅が出る職種であるのに、最大で必要な人員に合わせては雇用が成り立たないのです。
引越し以外に事業展開しているのなら可能かもしれませんが、引越し専業では成り立ちません。
なぜ社員だけで成り立たないのか
私の在職する引越し会社でも1店舗に必要な人員は繁忙期のようなピーク時で40名~50名ほどが1日に必要となりますが、閑散期は20名ほどの人員で十分となるのです。
それほどの必要人員の幅があるので正社員だけでの営業は不可能と言えます。
営業マンの質の低下
多分ですが、私の憶測での話しになりますのでご了承頂きたいのですが、大手で正社員のみで引越しを行うと告知している会社は無いと思われます。
正社員のみで引越しをしていますと話しをしている営業マンがいるとすれば、それは「営業マン」個人が勝手に言っていると思われます。
確かに中小の引越し業者の中には社員のみで運営しているところも有るようですが、当然規模が小さくなります。規模が小さくなればその大きさに合わせて運営出来るので不可能ではないと思います。
しかし大規模な会社で正社員のみで運営は人員の幅が大きすぎて実現不可と言えます。
営業に勝つためのアピール
引越しの商品性に違いを見せる事は非常に難しい事です。
専門性があることは確かな事ですが、一般の方からすると「荷物を運んでいるだけ」なのです。引越し作業は誰でも出来るという解釈と言うわけです。
そこで商品性の違いとして「全スタッフ正社員」という言葉を出してしまうのだと思います。
しかし正社員をうたっている時にアルバイト求人誌は大きく「アルバイト募集中」と掲載されている事をよく見かけます。
特に比較的新しい営業マンが「すべて正社員」というトークを使っていきます。
ベテランの営業マンにとってそんな危険なトークは使いません。真実とは遠くかけ離れているためです。
しっかりと見極めが大切です、私自身も全て正社員のみで引越しが出来ればどれ程の良い物を提供できるかと思うと、ぜひ実現させて欲しいと思います。
しかし現実問題、大手の引越し専業の会社では不可能と言えます。
引越し作業にアルバイトは良くないのか
実際の話しで考えると、アルバイトの方が正社員より高いレベルの者は多く存在するという事です。
「アルバイト」=「低品質」ではありません。
「アルバイト」は全てが同じではなく、それこそ学生アルバイトも居れば正社員で他の企業で働いている方が余暇を利用して定期的に来ている場合もあります。
引越しのアルバイトのみを収入源として働き、社員より長い年月の引越し経験を持つ「ベテラン」もいます。
この世の中「アルバイト」「パート」で成り立つ企業は数え切れない数があるのです。ではその企業は「アルバイト」が携わる仕事は品質が悪いのかという事です。
決してその様なことはありません、正社員でも悪いものは悪いといえます。
アルバイトの採用基準が厳しい
年々厳しいものを求めています、それこそ正社員と同等の事は当たり前に要求しているのです。
教育も正社員と変わらない事も多いのです。
雇用条件の具体的な厳しさ
- 長髪禁止、頭髪は短く
- 茶髪禁止、黒髪であること
- ひげは剃ること
- アクセサリー禁止
- タトゥー禁止
・・など色々とあります。そして帽子を被る必要がある会社も多くあります。
この様な厳しい条件を課しても入社してくる「アルバイト」は考え方がある意味、正社員と同等なのではないでしょうか、あとは教育面のみと思います。
わざわざ営業の時に「全スタッフ正社員」と言う必要なんて無いのです。
そんな出来もしない事を言うよりも「アルバイト」の質を説明すればいいだけなのですが、未だに力ない営業マンは「全スタッフ正社員」と言ってしまうのかもしれません。
引越し会社の正社員の質
正社員の方が質の劣る事など、どこの企業でもあるのではないでしょうか、私の会社でもアルバイトが作業の中心となり、正社員が指示をされる事は多々見かけます。
5年のキャリアの「アルバイト」に1年未満の「正社員」が作業面で敵うはずが無いのです。
現場作業が円滑に行われるためには「アルバイト」と「正社員」の垣根をなくして、同じように教育をして行く必要があるのが引越し作業です。
すべて「正社員」の理想は分かるのですが現実は違います。
「アルバイト」も正社員も同等の厳しい基準を持って採用、教育する事がいま求められているのです。
その結果「アルバイト」は雇用していますと胸を張って言えるのです、「すべて正社員です」と言わなくてもいいのです。
正社員のみと謳う必要はないのです。
まとめ
よく聞く大手引越し会社で「正社員のみ」ということはあまりないのが現実です。
しかし「アルバイト」が問題では無く、雇用体系や教育が重要になります。
一番仕事ができるのは正社員ではなく「アルバイト」ということが、どこの引越し屋でも起こっています。
大手引越し業者で「アルバイトは使っていません」というところがあれば、信用してはダメです。
そんなことは不可能ですから、、、。
あ、ちなみにアルバイトを「準社員」「社員見習い」みたいな言い方で誤魔化す引越し業者がありますので、ご注意を。