引越しの運搬で大変なものと言えば、まず思い浮かぶのは仏壇です。仏壇の運搬は非常に難しいので注意が必要となります。
それと同時に営業クレームが多く発生するので、仏壇のある方は注意しましょう。
仏壇は基本的に仏壇専門業者で運ぶほうが良い
仏壇の運搬はとても大変です、大変な理由としてその特殊性が挙げられます。
他のどの家具とも構造的に異なり、存在する意味合いもまったく違うので、引越し業者としても細心の注意が必要になります。
運搬に適さない
仏壇は金箔や漆で装飾されているものが多く細工が施されている為に扱いは非常に注意が必要です。
箪笥のように簡単に持ち上げる事が出来ないという事もあります。細工が多く気軽に扱えないのです。箪笥の様に安易に持つ場所もありません、それに重量も信じられない程の重たい物があるのです。
一般的に木材は金属より軽い印象がありますが仏壇に使用される木材は特殊であり重量がある物が多く存在します。
仏壇に使われる高級木材と注意点
黒檀・紫檀・鉄刀木が三大唐木と知られる銘木となります。
材質は堅く水に沈むほど綿密なため加工も大変困難になります。耐久性は極めて高く高価な唐木材となります。
その木材を使って出来上がった仏壇は驚くほど重量があり、普通では持ち上げることが困難です。
引越し作業員では運ぶことができず、仏壇専門の運搬業者を手配し直すことも時折発生します。
この様に特殊な仏壇は運搬の条件も厳しい事が多くなるので、依頼する側も十分に注意しましょう。
仏間は仏壇の寸法にピッタリと合っている
通常は物を運ぶ際には人が入り込むスペースが必要になります。人が入り込めなくては持ち上げる事が出来ないためです。
しかし仏壇の置いてある仏間はそのスペースが無い場合がほとんどなのです。当然引越し先での新居では仏壇に合わせた仏間が用意されている事が通常であり、搬入にも困難を極めます。
仏具の運搬も注意が必要
仏壇の中には仏具もあります、注意をして運ばなくては壊れてしまう様な繊細なものがあります。
仏壇について詳しくない作業員が扱うと、修復不可能になる場合もあります。
特に注意は「瓔珞(ようらく)」
瓔珞の運搬は専門のケースに入れて運びます。
運搬方法としては仏壇の中にある状態と同じ、吊るした状態で運びます。非常に繊細なため運搬を注意しなければ、傷付いたり切れたりします。
実際のところ引越し作業員が何も分からず「瓔珞」を運搬してバラバラに分解してしまった事もあります。
「プロ」は何でも知っていて、何でも出来ると信じることは危険です。
引越しの作業員では知らない事が多くある為、必ず専門業者で運ぶ事をお勧めします。安易に引越し業者が運んでくれると言っても鵜呑みにしてはいけません。
運搬方法を分かっているかどうかは「瓔珞はどう運ぶのか」と聞いてみれば即座に分かります。
担当営業が分かっていない場合に専門業者に委託する場合は問題のない事ですが、引越し代金がお値打ちになるからといって安易に引越し業者に任せないようにしましょう。
「もちは餅屋」です。
重要な事に「魂抜き(しょうぬき)」があります
仏壇は魂が入っている状態になっています。そのままの状態では業者として運ぶ事は出来ません。
魂が入っている仏壇は「物」ではないのです。「物」ではない「仏壇」=「魂」は運べないということです。
魂抜きが済めば運搬することが可能
お寺の住職により「魂」を抜いて貰うことが「魂抜き」になります。「魂抜き」をした仏壇は中がからっぽの「物」になります。
その「物」は運搬できるという事なのです。
仏壇は「物」ではないのです。その事はご家族にとっては当たり前のことになりますが、どうしても他人である引越し業者はその大切さを忘れてしまう事があるのではないでしょうか。
まとめ
仏壇は箪笥や家電などの単純な「物」ではありません。
後悔の無いように引越し業者には聞くべきことは臆せず聞くようにして、後悔の無い引越しをする様にしましょう。