引越し業界はブラックと言われていますが転職を希望する人は後を立ちません。
どの業界でもそうですが求人情報と現実のギャップは入社するまで分からない事が多々あります。求人情報からかけ離れた状態に気がつくのは入社後で手遅れとなるのです。
実際に引越し業界は「ブラック」であるのでしょうか?ちょっと暴露してみます。
引越し業界は稼ぐことができるのか?
引越し業界に就職や転職を考えている方にとって率直に知りたい情報は「稼げるのか?」と言うことだと思います。
この稼ぐことに関しては働くポジションによってかなり変わるので一概に言えないのですが、終身雇用的な発想で考えると「稼ぐことはできない」と言えるでしょう。
それどころか定年という概念で考えると将来の不安はとてつもなく大きな業界です。終身雇用的な発想を持っているのであれば、引越し業界は絶対に避ける方が良いとアドバイスをします。
若い時に経験(修行)としてならお勧め
引越し業界はある意味ですが学生時代の部活動と考えると分かりやすいと思います。
まさに「修行の場」と言えばこれほど合う表現はないと言えるでしょう。今後の人生で役に立つ事は間違いないと言えます。
ただしスキルが身につくという事では無く「忍耐力」「ブラック耐性」「体育会系」が身につく為に人生の教訓としてプラスと言えるのです。
学生アルバイトは最高
引越し業界は体育会系のアルバイトとしては最高な職場となります。
まさに野球部というべきな状態であり、その体育会系な働きで高給を得ることが出来るのでとてもお薦めです。
ただし体育会系に慣れていない方や厳しく指導されることに免疫がないと1日で退職する人もいますので安易に考えてはいけません。
アルバイトで適性が高いのは野球部出身がダントツに向いていました。雇用する側もとても扱いやすく耐性が強いのでありがたい存在といえます。
賃金も1日あたり1万円は稼ぐことができます、日給制ではあまり稼げませんが時給制の引越し業者であれば忙しい日には1日で2万円くらい稼ぐことができます。
実際に3月の繁忙期にアルバイトが50万円超えの賃金を稼いでいきました、社員よりも稼ぐ事が可能であるのが時給制のアルバイトです。
ただし引越しの少ない閑散期には出勤日が削られます。稼ぎは大幅にダウンする危険性があるので注意が必要です。
現場作業の社員は30代が限度
引越し作業をする社員は30代が限度です。
40代で現場作業をしている方も多少いますが大変すぎて見ていられません。多くのプロスポーツ選手が30代で引退している現実を考えて頂ければお分かりかと思います。
引越しはハードなスポーツと言えます、エレベーターの無い建物は階段で荷物を運ばなくてはなりません。
5階で階段作業をすればどうなるか想像してください、荷物を持って何十回も往復しなくてはならないため軽く昇天する事でしょう。
特に新しく入社した方にとっては何の技術も無いために、最初はひたすら荷物の運搬作業です。つまり階段作業するのは比較的新しい社員がメインになって何回も何回も往復するのです。
部活動より激しいといえます、夏に関しては必ず熱中症で病院送りになる従業員が出ます。全身が痙攣して危ない状態になった方を、何人も病院に運んだ事があることは嘘のような本当の話しです。
それほど過酷な引越し作業を40代では難しいと言えるのです。
ベテラン従業員は動かない
現職の40代や体力のない者は体を動かさなくなります。
そのもっともな例としてトラックの中で荷物の積み込みをして出てこない者や、部屋の中で荷物の梱包や分解組み立てをするだけで荷物の運搬に加わらない者も出てくるのです。
考えて頂ければ分かると思いますが、運搬作業に加わらない人がいれば負担は一部の人に掛かります。とても激務だと理解出来るのではないでしょうか。
もっと楽なスポーツの方が余程たくさんありますよね。
40代は確実に引越し作業員としてはお荷物になります、40代までに営業に切り替えるか管理職などの職に切り替えが出来なくては引越し業界で生きていくことさえ難しくなるのです。
引越しの作業員は職人の様な専門職ではないので、技が磨かれることに価値があるような仕事ではありません。そのため若い従業員からは邪魔者扱いされ、管理職からは作業が遅いと評価は下がるのです。
長年の功績が通じないのが引越し業界と言えます。40代まで引越し作業を中心にしてきた人は順々に退職を迎える事が多く、その再就職先は運送関係が殆どと言える状況です。
賃金も安い
ここまで頑張ってきても年収で言えば400万円前後です。一番良い時でも500万円に届かない人が大多数と言えるでしょう。
若い頃と何も変わりません、つまり若ければそこそこの稼ぎと言えますが収入が増えない状態で40代まで来てしまいます。
その後は退職するか営業職に転向するか管理職の道しか残っていませんので現場作業だけで勤めてた方はほぼ退職を選びます。
口々にいう言葉は「営業は嫌だ」「管理職は無理だ」となる人が多くを占めるのです。
営業職は稼げない
営業職に関しても朝の出勤は7時ごろから夜は22時くらいが普通です。最終の営業が19時や20時が通常のため早くて終了は21時にはなります。
当然ですが休日はあまり貰えません、通常の時期で1週間で1日あれば良い方です。
これだけの激務でも年収は300万円から400万円といったところです。先のない仕事と言えるでしょう。
これほどな激務な営業であれば他業種にいくらでもあります、あえて引越し業界に留まる意味もありませんので多くの営業マンは順々に退職していきます。
管理職の行末は厳しい
色々なハードルを超えてきた管理職も大変なポジションと言えます。
責任は重大になりますが収入は増えません、平均年収で400万円から500万円ほどになります。
まあまあの収入とも取れますが、この収入から上がる見込みは基本的にありません。業務が楽ならまだ良いのですが、毎日7時前から21時くらいは普通の勤務時間です。
引越しの繁忙期になれば業務終了は24時を回ることもあります。休日に関しても忙しい時期はひと月に1日と言うこともあるので「ブラック」の代表と言えるでしょう。
責任も重大なことになるので割に合わないと言えるのです、好きでなくてはやっていけません。
管理職イコール管理監督者であり運行管理者という立場になりますので、万が一大きな事故が起これば大変なことになります。
ほとんどの引越し業者は労働基準法をぶっちぎっているので、責任の追求をされる事にもなります。
行くあてのない管理職
引越しで長いこと管理職をしていても何のスキルもありません。
転職を決意しても再就職先は同じ引越し業界に行くことが殆どです、後は未経験の職種を探すことになりますが、40代になれば未経験での再就職は大変難しいと言えます。
引越し業界への就職は考えましょう
かなり厳しい内容を暴露しましたが全部の引越し会社が同じではありません。
この内容は私が在籍していた「大手」引越し会社の実情です。全ての引越し会社に当てはめて考えることは出来ませんが引越し業界の実情としては大幅にズレてはいないと思います。
引越し業界はこれ以上下降することは無いと思いますが、上昇することも無いと思います。
引越し業者は飽和状態といえます、この状態で大幅に業績を伸ばし従業員に還元することは難しいといえるのです。
経営者だけが潤うことは出来ると思いますが、それはどこのブラック企業も同じことで従業員は苦しむだけです。
結論
引越し業界で稼ぎたいアルバイトには最高に稼げる職場です、ただし体育会系の耐性が無ければ難しいと言えます。
社員として就職するのであれば30代中盤には違う職種や起業する事を考え、修行として来るのは有意義な経験になるでしょう。
30代から就職するのは遅すぎるといえるので、出来る限り違う職種を探すことをお勧めします。
私も何十人という人材の入社から退職まで見送ってきた経験と自らの退職の経験からの警鐘とさせて頂きます。
最後になりますが引越し業界の方で気分を害された方には陳謝致します。
管理人の経験を参考にどうぞ
30代で引越し業界に飛び込んだ、管理人の経験を参考にどうぞ。
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「引越し屋さんは何を思う」の管理人プロフィールとサイトコンセプト
「管理人しし」プロフィール 拠点 愛知県 年齢 40代のおじさん すこし前まで、大手引越し会社に勤めていました。 引越しの経験と知識は、少しだけ引越し会社を経験した方とは格段に違うと自負しています。( ...
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