昔からユニット家具はありましたが、最近のものは低価格を売りにしている物が多く、分解組立てに適していないものが多くあります。
場合によってはユニット家具は引越し業者から、運搬を拒絶される可能性がありますので注意が必要です。
引越しの時に問題になるユニット家具とは
ユニット家具(ゆにっとかぐ)
戸棚、引出し、飾り棚などの用途をもつものを、ある大きさの単位でつくり、それらを目的にあうように組み合わせて使う家具のこと。
各単位をユニットというが、その間口、高さ、奥行の寸法を一定のシステムになるように計画しておくと、組合せが多様になるばかりでなく、少ない種類のユニットで、いろいろな大きさや用途をもつ家具を構成でき、組み替えも容易であるため、広く普及するようになった。[小原二郎]
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
利便性
棚や扉などが自分の好みで選んでひとつの家具なる為に人気があり、部品の共通化を計る事により低コストで生産が出来るために消費者にとってもお値打ちになり人気となっています。
使用用途によりパーツを変える事で家具の様式を変える事ができるため、すべてを買いなおす必要がないメリットがあります。
注意点
組立てに「ネジ」を使う事は当然であるのですが、最近は「木ねじ」を使っているものを多く見かけます。
本来「木ねじ」は家具の木の部分に「木ねじ」自体が木を削りながらねじ込む為に、組立ては強固になりますが分解して再度組み立てる場合は強度が落ちる可能性があります。
組む事自体はできるのですが、その後に家具がグラつく事も考えられるのです。
分解・組立てに多くの時間が掛かる
引越し業者で分解・組立てはできる事もありますが、ネジの点数が多く大変時間がかかります。引越し作業に充てる時間が無くなる事もあり、通常は専門業者に依頼して組立てを行う事になります。その場合は費用も掛かりますので注意が必要になります。
引越し業者泣かせ
「ユニット家具」とはそれほど時間が掛かる、引越し業者にとっては注意の必要な家財のひとつであるのです。「ユニット家具」の分解・組立ての為に引越し作業員が1名完全に時間を取られる事もあり、引越し業者としても専門業者に委託する流れが強くなっています。
「ユニット家具」である事の告知が必要
分解・組立てが有料になるのなら引越し業者にはユニット家具がある事を内緒にしておく様な考えは止めておく方が良いでしょう。
引越し業者も時間的な制約がある中での作業になります。当然「ユニット家具」が有れば引越し作業が遅れるために焦りが出ます。
焦りが出れば雑な作業に成りかねません、それこそ焦りが家具や家屋の破損に繋がりかねないのです。
引越し作業は機械で出来るものではなく、人が作業をしている為に精神的に追い詰められる様な事があれば、普通で起こりえない事も起こるのです。
事故の可能性
以前あった本当の話しですが、「ユニット家具」を戸建ての2階から落下させることがありました。
分解して搬出する予定だったのですが、分解に時間が掛かりすぎるため、その時間を節約しようとベランダからロープで吊り降ろしを行ったのです。
その結果、あやまって地面に落下させてしまい家具を全損させる結果になりました。
吊り降ろしを失敗する事に問題があるのですが、作業員は時間が遅れているため焦り、通常とは違う行動を取ってしまったという事があるのです。
「ユニット家具」は営業時に伝える
プロの営業マンとはいえ、お客様の家具がどのような物か全ては見抜けません、営業マンの質に問題があるのかもしれませんが、営業マンもベテランがいれば新人も居るのです。
全てを「プロ」に依頼するという意識で任せる事は危険がありますので、「ユニット家具」が有るのなら防衛の意味でも引越し業者に伝えるようにしましょう。
お互い安全に気持ちの良い引越しが出来るように、できる限りの情報を共有する事が大切なのではないでしょうか。
まとめ
「ユニット家具」が引越しの荷物にある場合は引越し業者に必ず伝えましょう。
有料で分解・組立てになるかもしれませんが、安全性を考えた場合には必要かもしれません。
必ず営業マンに相談するようにしましょう。