引越しの見積もりの際に大幅な値引きをしてくれる業者は本当にお値打ちなのでしょうか?
大きく値引きしている様に感じさせる見積もり
引越しの見積もりとなれば金額が大きくなる場合が多く、なかなか手軽に業者を選定できない事は当然の事になります。
引越しを依頼する側としてはどの様にすれば業者を決めるのでしょうか?
一番多い内容は2社から3社の中で金額と内容を比較判断して決める方が多く見られますが、1社目で決める方も多くいる事も事実なのです。
1社目で決める場合に多い提案
「1社目でお値打ちだったので即決してしまいました」と言われる事がよくありますが、1社目でなぜお値打ちであると判断出来たのでしょうか?
比較対象のない状態でお値打ちであるとの判断材料が無いはずであるのに、「お値打ち」と思ったのは何故なのでしょうか、どの様な話しを営業マンがすれば「お値打ち」であると感じる事が出来るのかを考えてみます。
お得感を漂わせる営業方法
実際の見積もりで必要な料金はある程度決まっています。ただその中でもう少し値引きをすれば契約を頂ける場合に予測の金額を下回ることもあるのです。
ただし正直少しでも料金を頂かなくては商売にならないために、すぐには底値の提示には至りません。全ての営業を底値で契約をする様なことは企業としては負債を抱えるような物なのです。
当然ですが商売で引越しをする以上利益を出さなくてはならない為に、料金提示の底値はある程度の条件が揃わないと出ないのです。
料金的に底値であると思わせる方法
どの業界でもある事ですが「値引き」によりお値打ちであると思って頂くことが多くあるのです。特に経験の少ない営業ほどその傾向が強くなるい様に見受けられます。
営業力の無さを「値引き」でカバーする
営業力の無い営業マンは他社との競争で勝負する為には、正面から戦えば勝てませんので勝てる方法を考えなくてはなりません。
しかし簡単には勝てる方法などは無いのです「営業の力」は経験や知識によるものが多く、経験の乏しい営業マンがこの業界に長く居る営業マンに勝つためには違うアプローチが必要になるのです。
そのアプローチの最もとなるのは「値引き」です、他社の見積りがある程度出ている場合は、本当に他社よりお値打ちである料金を出すしか方法が無いと思いますが、他社がまだ出揃っていない場合は「お値打ち」感のある見積もりを出して引き付けようとします。
「お値打ち」感のある見積もりとは何か?
実際の料金提示は変わらず「値引き」を大きくする事によりお得感を演出します。その方法としては簡単です始めの提案を高く料金提示するのです。
例えばですが
・初期提示が20万円に割引を色々付与して最終金額5万円で提示
・初期提示が50万円に割引を色々付与して最終金額20万円で提示
同じように10万円の提示を最終的に3万円にして契約を迫るような事が多々見受けられます。
ではその内訳はどうなのでしょうか
適正に割引を入れている場合も当然ですがあります。人気の無い日はトラックと人員が余剰で余るために採算を割ってでも契約を頂きたい時はいくらでもあるのです。
- インターネット割引
- 法人割引
- 知人紹介割引
- 仏滅割引
- 前回利用割引
- 午後便割引
- 平日割引
- 中間日割引
- 早期割引
割引の項目はいろいろとあるのです、重複して割引が出来ない項目もありますが、だいたいの物は割引を加算していく事が出来るのです。
ただし普通に考えて割引の項目はせいぜい2~3項目程度になる事が普通なのです。そしてそれぞれの割引率は作業料の10%~20%ほどが通常の割引率になります。その割引が3項目集まれば50%ほどの割引になります。
割引率の見方
引越し代金の内訳
「運賃」+「作業料等の実費」=「引越代金」となります。
「引越代金」+「付帯サービス」=「総合計」となります。
引越しの割引は「運賃」からは割引ができません、その為に割引は「作業料」からの適用となります。
割引は「作業料等の実費」からしか出来ませんので50%割引の場合は「総合計」の50%割引とは違います。
割引例
「運賃」40,000円 「作業料等の実費」60,000円 =「引越代金」100,000円
50%割引の場合は「作業料等の実費」60,000円から50%を割引するために「作業料等の実費」30,000円となりますので以下の金額が50%割引となります。
「運賃」40,000円 「作業料等の実費」30,000円 =「引越代金」70,000円
50%割引は「引越代金」が100,000円が50,000円になる訳ではないのです。
つまりは普通に考えて10万円が3万円になるという事は考えづらいのです。引越しの閑散期や暇な日に関してはあっても繁忙期や人気日では絶対にその割引は出ないはずなのです。
悪い例で考えてみます
引越しの最も込み合う3月下旬に初期提示額50万円で最終金額20万円なんて事はありえないのです。ぱっと見た目は大幅な値引きでお値打ちに思うかもしれませんが、繁忙期で半額以下になるはずがないのです。
初期提示の料金が割り引く前提に提示されているに過ぎないのです。
私の経験から言っても良心的な料金提示は「作業料等の実費」50%を引くところ迄で止まると思います。それ以上の提示が出るのであれば元の金額の信憑性を疑ったほうが良いと思います。
ただし引越し業者が忙しい日程でなければ、大幅な値引きもあり得る事は先ほども言及した通りです。
なので判断は難しいところかもしれませんが、忙しいと引越し業者の営業マンが言っている日で、80%も90%も割引することが信用のおける事ではないという事です。
今後の引越しをお願いするにあたって、その営業マンに任せて大丈夫であるのかを冷静に判断する必要があるのです。
判断材料は最終的な金額ではなくそのプロセス
引越しの料金はお値打ちであればあるほど良いと思いますが、そのお値打ちになるプロセスが問題なのです。
とんでもない高額な料金をチラつかせておいて、そこから信じられないくらいの値引きをして勝ち誇ったような態度の営業マンは止めた方が安心という事です。
引越し日を迎える事が不安でしょうがないと思います。私の中ではこの様な提案をする営業マンは三流の営業マン以下です、営業マンのバッタもんです。
まとめ
あまりにも大きい値引きの営業マンは疑ってかかった方が良いでしょう。
割引率が「作業料等の実費」80%・90%を超えてくる提案は他社の見積もりと比較した方が良いと思います。
逆にどれだけ値引き交渉をしても割引率が「作業料等の実費」50%以内の営業マンであるのなら信憑性は高く契約しても価値のある「人」であると思います。
但し例外として暇な日はどんな優秀な営業マンでも割引率は「作業料等の実費」80%を超えてくる事は普通にありますので見極めが大切となります。